【2024年2月】おいしいそのぎ茶のアンバサダー初級講座を受講!

長崎イベント_首都圏

2月2日、東京・日本橋の長崎館で、そのぎ茶アンバサダーの初級講座を受講しました。その模様を、美しいお茶の写真も盛りだくさんでお届けします。読んでいただければきっと、美味しいお茶をゆっくりと飲みたくなること請け合いです。

日本橋長崎館はおいしいものがいっぱい

金曜日の夕方、日本橋長崎館に少し早く着いて特産品販売コーナーに入ると、多くのお客さんで賑わっていました。おいしそうなものだらけで、あれもこれも欲しくなってしまいます。観光案内コーナーにも、魅力的なリーフレットがいっぱい。私は五島列島のものをいただいてきました。

今回は16時から講座がスタートなので、16時少し前に受講コーナーに移動。今回の受講メンバーは5名でした。長崎出身の方、お茶好きの方、以前にそのぎ茶を飲んでファンになった方、長崎旅行を計画中の方などさまざまで、年齢もバラバラですが、皆さんそのぎ茶に惹かれてやってきた同志! 新しい出会いはワクワクします。

テーブルには一人ずつ受講セットが置かれていて、かわいい缶のそのぎ茶も!そのぎ茶の故郷、東彼杵町にはこの缶ばかりがぎっしり入った自動販売機もあるそうです。町の自慢の名産品なんですね。

そのぎ茶って?そのぎ茶アンバサダーって何?

そのぎ茶とは長崎県の東彼杵町(ひがしそのぎちょう)で作られるお茶です。緑茶の中でも渋みや苦みが少なく、ほんのり甘みがあり、とても飲みやすく、一度飲めばファンになる方も多いそう。数々の賞も受賞しています。
長崎では非常に馴染み深いお茶であるものの、全国ではまだまだ認知度が低い。そこで、「もっとそのぎ茶を広く知ってもらおう!」と始まったのがそのぎ茶アンバサダー・プロジェクトです。そのぎ茶アンバサダーに参加する方法はSNSでそのぎ茶を発信する、オンライン登録をする、そして今回のように講座を受講する、です。これまでも初級講座は長崎県内、東京で何度も開催されており、参加者は子どもから大人まで、そして外国人の方も。現在、アンバサダーは全国に160人以上いるそうです。今後も様々なイベントを企画中だそうで、とても楽しそうな試みだなと思いました。

講座スタート!美しいお茶を飲みながら楽しくお茶を学ぶ

さて、話は講座に戻ります。16時になりいよいよ講座がスタートしました。
長崎館では福山雅治さんやMISIAさんなど、長崎に所縁のあるアーティストの皆さんの曲が流れています。心地よい音楽を聴きながらお茶を学ぶ、素敵な時間の始まりです。
まずはインストラクターの皆さん、スタッフの皆さんの自己紹介。東彼杵の町役場の方や茶園の方もいらっしゃっていて、東彼杵の生のお話が聞けるのが嬉しかったです。
その中のお一人、男性のインストラクターさんは東彼杵の茶園と海の景色の美しさに惚れこんでしまい、茶園を営んでいた京都から家族皆で移住されたとの事。現在は東彼杵でお茶を作り、町おこしをされているそうです。東彼杵は人口8000人ほどの小さな町で、人口はどんどん減っているそう。移住者はもちろん、「特別町民オフィシャルサポーター」も大募集中だそうです。

そして、そのぎ茶の説明が始まると同時にお茶が運ばれてきました。テーブル上にズラリと並ぶ色とりどりのお茶。テンションが上がります。そのお茶たちを試飲しながら、お話を伺います。

なんて綺麗なのでしょう。

普段、何気なく飲んでいるお茶ですが改めて学ぶと知らなかったことだらけです。スライドを使って、インストラクターさんがわかりやすく説明してくださいます。

一言で「日本茶」と言ってもこんなに種類があるんですね!びっくり。
通常、日本茶は茶葉が細長く伸びた形になっているのですが、そのぎ茶は勾玉のように丸まった形をしています。写真では一番右がそのぎ茶のそのまるい葉なのですが、写真では全然わかりませんね…。

なぜそのぎ茶はまるくなるのか、その秘密は製法にあります。日本の緑茶の大半は煎茶が占めますが、煎茶の製造工程には「精揉」と言うものがあり、茶葉の水分を飛ばし、一定方向に茶葉を揉みます。これにより茶葉がまっすぐに伸びた形になるのですが、そのぎ茶にはこの精揉がありません。代わりにドラムの中で回しながら乾燥させていきます。それにより、茶葉が丸まった形になるのです。この製法を「蒸し製玉緑茶」と言います。この蒸し製玉緑茶は日本では2~3%しかなく、全国的に見ると非常に珍しいお茶なのです。

冒頭でも、あまりにも美しい景色に惚れこんで移住したというインストラクターさんのお話を書きましたが、写真で見せていただいた東彼杵の茶園風景の写真が本当に美しかったです。海が見える茶畑は、全国的にも珍しいそう。是非、現地で見てみたいものです。

お茶の勉強が続きます。長崎県と日本茶に深く関わりのある方々の写真。
右から、日本茶輸出の先駆者である大浦慶さん、大河ドラマ「龍馬伝」にも登場します。その隣の「インゲン豆」の名前の元になっている隠元隆琦さんはインゲン豆を始め、煎茶、蓮根など様々な物を日本に伝えました。その隣は明菴栄西さんは宋から持ち帰った茶を平戸に植えて日本発の茶園を作った人です。日本で初めての茶園は、長崎なんですね!勉強になります。そして左端の下、フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトさんは長崎・出島のオランダ商館の医師として来日し、日本のお茶に強く関心を持ち、海外に日本茶を伝えた人です。

長崎は栄西さんの手によって中国から茶文化を伝えられ、また大浦慶さんが欧米に向けて日本茶の輸出を始めた地域でもある、日本のお茶の窓口のような重要な役割を果たしていたんですね。こんなにお茶に所縁のある土地だったとは、知りませんでした。

そのぎ茶の魅力

そのぎ茶は、こっくり、とろりとしていて、旨味、あまみのあるお茶と言われていますが、私も飲んでいてお茶ってこんなに旨味とあまみあるんだっけ、と思うほどそれを感じました。他の参加者の方も「あまい~!」と仰っていました。あまみがあるけれど、すっきりとしていて飲みやすいです。そして、色が美しい。とっても綺麗な緑です。そのぎ茶は全国茶品評会や日本茶AWARDでも数々の賞を受賞しています。

東彼杵の茶園の方にお話を伺います。お茶を摘む前に被覆といって黒い幕をかけて数日置くという工程があるそうですが、通常は2~3日のところ、そのぎ茶は10日前後も置くそう。九州のお茶はこの「かぶせ茶」が多く、玉露においては14日~20日とさらに長いそうです。
また、市販のお茶は機械で摘んでいることも多いですがお話を聞かせていただいた茶園さんでは手摘み!ちなみに旅行者も茶摘み体験ができるそうで、是非やってみたいなと思いました。

水出しでお茶をいれる!

さて、講座も中盤になると今度はガラスのボトルと水がテーブルにセットされました。
水出し茶を作ってみようということで、私が代表してやらせていただきました。
ボトルに茶葉を入れて水を入れる、以上。茶葉は750ccに対してだいたい14~20gだそうです。今回はおのうえ茶園さんが提供してくださった高級茶「大河の掬」を使用しました。水出しのお茶って数時間は待たないといけないイメージですが、なんとこのお茶は短ければ5分、30分もあれば十分出るそうです。

数分待って、少しボトルを回してまぜたら、グラスに注ぎます。

色が本当にきれい。

そしてみんなで乾杯!
おいしい~!!本当にワインを飲むかのような味わい深さ。さすが、高級茶。夏はこんなおいしいお茶が冷蔵庫に入っていたら最高ですね。

そしてなんと、このガラスボトルと「大河の掬」は一人ずつお土産でいただきました。しっかり勉強したので家でも作るのが楽しみです。

あたたかいお茶、皆で飲み比べ

今度はあたたかいお茶を淹れます。

まずはインストラクターさんのレクチャーがあった後に実際に私たちもやってみます。

低い温度のお湯を使うと旨味、甘みが出やすいとのことで一煎目は60℃くらいのお湯で淹れます。最初お湯を湯飲みに入れます。そこから器をうつしていくのですが、この器から器にお湯を入れ替えていくときに5℃~10℃下がるそうです。そうやって温度管理をするのですね。

一煎目はまずはお湯を湯飲みへ、湯飲みから急須へ、急須から湯冷ましへと移していきました。

そこでさらに少しおいたら、茶葉を入れた急須にお湯を注ぎます。
少しおいて、2つの湯飲みにまばらになるよう少しずつ注ぎながらいれます。

2つあるので、1つは自分で、もう一つは他の参加者の方と交換して飲み比べてみました。

「おいしい~!」私からも皆さんからも一斉に感嘆の声が。とっても甘みと旨味が出ていて感動の一杯でした。そして自分で淹れたもの、交換していただいたもの、味が微妙に違う!同じように作っても、ほんのわずかな違いでこんなに違うのかと思いました。

その後二煎目はもう少し高い温度のお湯で、器をうつすのも少なく、待ち時間も少し短くすると最初よりも少しシャキッとした感じの、程よく渋さもあるような味わいでしたがこれもまた美味しかったです。

お茶菓子に、同じく東彼杵のtataraさんというお店のパウンドケーキをいただきました。これがとっても美味しくて、お茶にもよく合いました。

素材もシンプルで安心!東彼杵のお店は役場の隣にあり、もともとはラーメン屋さん、夜はイタリアンもされているんだとか。なんというオールマイティなお店なのでしょう! パウンドケーキがあまりにも美味しかったので、帰りに抹茶味バージョンを購入しました。

急冷茶もいただきました。作り方は、さきほどのボトルいっぱいに氷を入れておき、別で急須に90℃のお湯200cc、茶葉20gでお茶を作ったら40秒待ち、一気に氷入りのボトルに注ぎます。これまたすっきりとして美味しかったです。この急冷茶は少し渋みもあり、カフェインも強くなるので夏の暑い日やシャキッとしたいときにおすすめだそうです。

その後は茶園の方のお話を聞いたり、アンバサダーの活動についてお話を聞いたりして過ごし、名前入りの修了証までいただきました!嬉しい!

受講者の皆さんの感想

受講中も和気あいあいと皆で楽しく話しながら講座を楽しみました。
最後には「家ではささっとポットにお湯と茶葉を入れて飲んでいるけれど、こんな風にひと手間かけるとこんなに美味しいなんて!」という感想や「水出しでこんなにすぐ出せるなら気軽に楽しめて嬉しい」などといった感想が出ていました。

まとめ

そのぎ茶アンバサダー初級講座、とっても楽しかったです。初めましての皆さんと一緒に美味しいお茶を飲みながら、インストラクターさんからお茶のことを学ぶ時間はとっても有意義。小さい頃から当たり前のようにのんできた日本茶のことも、全然知らなかったんだなと思いました。そして何より、そのぎ茶って本当に美味しい!これはもっと多くの人々に知っていただきたいと思いました。実際に長崎に行って、東彼杵町でお茶摘み体験もしてみたいなと、今年やりたいことがまた一つ増えました。
そのぎ茶アンバサダーやそのぎ茶について気になる方は、是非公式ホームページをチェックしてみてください。

講座参加日: 2024年2月
文・Photo: Kana

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