vol.003

nt Add works株式会社

代表取締役

森田 優子さん

YUKO MORITA

生産者に寄り添い、
食の発信と場づくりで
長崎を笑顔に。

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美味しい食材とその生産者のストーリーを一緒に届ける『ながさき食べる通信』を軸に、食のイベントやコーディネートなど精力的に活動する森田さんに、地元・長崎の食や人への想いをうかがいました。

農家と消費者の交流イベントで、
自分がやりたい地域貢献の形との出会い。

大学卒業後、長崎市に戻り、西日本で総合スーパーを展開する企業に就職。長年、販売・仕入れから販売促進、店舗運営、VMDまで、さまざまな業務に携わってきました。そんな日々の中で帰省するたび、農業ができなくなってきた父と重なるよう、元気がなくなっている地域を意識するようになりました。そして、長崎への地域貢献をしたいと考えはじめた頃、『食べる通信』に出会い、農家さんと読者が交流する姿を見て、「長崎でやりたい!」と思いました。これが『ながさき食べる通信』創刊のきっかけです。
『食べる通信』は、食のつくり手を特集した冊子と、そのつくる人が収穫した食べものがセットで届く、全国に編集部がある情報誌です。2018年に『食べる通信』の創刊に向けた審査をクリアし、2019年11月に『ながさき食べる通信』を創刊。地元紙で活躍していた方を副編集長に迎え、私がめざす「地域に根差す生産者さんのライフストーリーを食べものと一緒にお届けする情報誌」を形にしました。その後、2021年11月にnt Add works(株)を設立。現在は『ながさき食べる通信』の発行を中核に、食のイベントやコーディネート、長崎ガストロノミーの推進など、つくる人と食べる人をつなぎ、長崎の食の発信、食の場づくりをお手伝いする活動に取り組んでいます。

ながさき食べる通信の撮影現場で、生産者さんと細かく何度も対話を重ねる姿を見て、「食材と一緒に生産者さんのストーリーを届けたい!」という強い想いを感じました。

生産者、料理する人、食べる人をつなぐ
“食”の現場は「わくわく」が生まれる場所。

『ながさき食べる通信』では、食べものだけでなく、必ずその人が見える、生産者さんが見える形を大切にしています。イサキを特集した取材では、夜6時~朝6時までの12時間の一本釣り漁に同行。漁師さんが糸をたぐり寄せる空気感や音、息づかいまでも読者に伝えたいと思いながら記事を書きました。これは、一緒に船に乗ってみないとわからないこと。とにかく現場が好きなんですね。特に全然知らない分野の取材は、とても楽しく、わくわくします。「わくわく」は、私が活動するうえでのひとつの基準であり、大切にしていることです。
特集した食材を商業施設などでPRする料理イベントで、「そのぎ茶」とイタリアンを組み合わせたことがありました。生産者の方と一緒にシェフを茶畑へ案内すると、インスピレーションが湧き、茶葉をメイン素材にした本当に美味しい料理が生まれたんです。 イベンター、コーディネーターの冥利はお客様と関わってくれた人たちの笑顔。そして、みんなと場をつくり、人がつながり、新しい何かを生み出していく。そうした人との出会いや化学反応も、この仕事ならではの「わくわく」だと感じます。

©2022 COCOTHEST-ORY

長崎県初のガストロノミー・シンポジウムを開催。
食を起点に地域を盛り上げ、主体的に魅力を発信。

2022年に開催した長崎ガストロノミー・シンポジウムは、直感とご縁から実現したイベントです。前年にラジオで、ガストロノミーに取り組む大学の先生が、「誇りと愛着を持って地域を主体的に発信していくことが活性化につながる」というお話をされているのを聴き、すぐにその先生とコンタクトを取ろうと動きました。私の考えにドンピシャではまったのです。そして、その先生の勧めもあり、長崎ガストロノミーの企画を考えていたところ、ご縁あって私がゼミクライアントを受けることになった大学の学生たちと一緒に長崎県初のガストロノミー・シンポジウムを開催することになりました。シンポジウムのメインは、地元・長崎を盛り上げる食イベントを大学生たちで考える討論会。さらに、大学の先生や料理研究家によるガストロノミー事例紹介や、食で長崎を元気にしているコーディネーターさんたちの地域活性の取組発表を行い、成功させることができました。『ながさき食べる通信』とも連動した長崎ガストロノミーは、今後も力を入れて取り組んでいきたいと考えています。

©2022 NAGASAKI GASTRONOMY

出会いや縁を大切にしながら、
生産者さんと丁寧に向き合っていきたい。

『ながさき食べる通信』は、2023年夏号で20号を迎えました。取材を通じて出会った生産者の皆さんは、友人や兄弟、親子みたいな感じで接してくれたり、届け物をしただけなのにご馳走してくれたり(笑)、どんどん皆さんのことが好きになっていきます。そういう出会いやつながりが、この仕事の醍醐味です。2024年は過去に取材した生産者さんの今をアフターレポートとして特集します。『食べる通信』をきっかけに、イベントなどのお仕事もいただけている今こそ、これまで以上に丁寧に生産者さんと向き合うべく、始めたときの気持ちに立ち返ろうと思うんです。取材して2年、3年、4年と経つと環境も変わっています。生産者さんたちがコロナ禍でチャレンジしてきたことを語っていただき、それを見た読者の皆さんにも長崎を訪れ、生産者さんと交流してもらいたいと考えています。今年9月に予定している、第2回長崎ガストロノミー・シンポジウムも、『ながさき食べる通信』で特集した生産者さんたちと読者の皆さんの交流会を実施する予定です。これからも人との出会い、ご縁を大切にしていきたいですね。この人好きだなとか、この人いいなって思う方と仕事もしていきたい。たとえ、その場では結果は出なかったとしても、後になってとても豊かなつながりになってくる。たくさんの人たちと出会ってきて、そう感じています。

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事業一覧/nt Add works株式会社

『ながさき食べる通信』制作・発行

長崎に根付いた食べものの裏側や地域にも触れながら、“つくる人”のライフストーリーをおいしい食材と一緒に届ける情報誌。

ながさき食べる通信
公式サイト
  • 地域の食発信サポート

    食のイベンター、コーディネーターとして、つくる人と食べる人をつなぐイベントの企画・運営や食の場づくりをサポート。

  • ながさき百味箱

    『ながさき食べる通信』編集長セレクトで、生鮮物から加工品、調味料まで、長崎のストーリーのある食材をオンラインで販売。

  • デザイン・ブランディング

    丁寧に思いをくみ取り、ブランディング、ブランドデザイン・商品開発、マーケティング活動で、アピールが苦手な生産者や団体をサポート。

  • 長崎ガストロノミー

    長崎ガストロノミー・シンポジウムをはじめ、食を起点に地域の魅力を認識し、愛着と誇りをもって発信する地域活性活動。

公式サイト

想いを知る

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一般社団法人アールイー
辻野 貴士さん

「人、こと、地域」をつなぐハブ。島原半島をより魅力ある地域として、次の世代につなぎたい。

vol.002

カフェと宿 ROUTE
岸川 信吾さん

カフェと宿と自転車。観光と暮らしが交わる場所から、旅行者とまちの人々をつなげていきたい。

vol.004

有限会社 山﨑マーク
山﨑 秀平さん

全国へ、刺繍とマークをつくり続けて45年。培われたスキルと引き継いだバトンを、これからは地域へ向けて。

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